南阿蘇の美味しいお米とそばをさらに美味しく…「水車」への拘り

きれいな水・豊かな水・おいしいお米・おいしいそばが特産の、南阿蘇・久木野。
恵まれた環境と、そこに携わる人々の努力から生まれたこれらの農産物を、もっとおいしく提供できたらとの思いが「水車」を作らせました。

南阿蘇村には、「白川水源」「竹崎水源」などの他、村内のいたるところできれいな水が湧出しています。この水は、南外輪山に降った雨水が地下に染み込んだ結果、ミネラルをたっぷりと含んでいるのです。この豊かな水は南郷谷全体の水田を潤し肥沃な土をつくり、熊本県でも特においしい「お米」の産地として知られるようになりました。
水がおいしいこと・豊富なことは、おいしいお米づくりの一番の条件なのです。そんな恵まれた環境と阿蘇地方独特の気候により、菜の花などを活かした肥料づくりや減農薬農法にも積極的に取り組み、おいしいことに加えて「安心・安全」な米づくりも定着しています。このようにきれいな水とおいしく安全なお米があるわけですから、精米にも拘って究極の米づくりにチャレンジしてみることにいたしました。
稲刈りを行い、脱穀、籾摺りが終わったら、いわゆる玄米の状態になります。米は通常の場合、この玄米の状態で低温保存されます。その後は必要に応じて精米を行い出荷します。
米は熱を嫌います。保存の時に熱をもった状態でいると、まず第一に米に虫がついたりします。また精米時に熱をもちすぎると、米が割れやすくなったり、本来もっている旨味の成分が失われる場合があります。成分の一つ「でんぷん質」が熱に弱く、急激に温度が上がると変質してしまうためです。
また米の胚芽部分に多く含まれるビタミンB1・Eは、精米しすぎて胚芽部分が少なくなると失われてしまいます。
玄米を精米する時間は、機械で行えば10~20kgなら数分で終了します。しかし、できあがったばかりの白米をさわってみると感じることができるように、程度の差はあれど、機械の中ではかなりの熱が発生しています。「あそ望の郷くぎの」の水車は、60kgのお米を搗くのにも約4時間ほどゆっくりと時間をかけて行います。また常に臼で搗いていますので、熱がこもることもありません。
このようにして出来た米は、久木野ブランド米の中でも最高の味をもつ究極の米といっても過言ではありません。

また南阿蘇は、お米とともに「そば」の産地でもあります。日本のそばの産地として有名なのは北海道や信州ですが、南阿蘇・久木野地区も信州に負けず劣らずの気候条件をそなえています。
南外輪山から白川までのゆるやかな傾斜面により、ほどよい水はけと、高冷地特有な昼夜の寒暖の差などが「そばづくり」に適しているのです。また無農薬栽培に徹した生産者の努力で、安心・安全なそばが生み出されています。
しかし、そばの美味しさを極めていくためにはこれだけでは足りません。そばの実から粉にいたるまでの行程も、大切な条件となるのです。
それが粉挽きの技だと考えました。そば粉を石臼で挽くにあたっては、まず「どんな粉を求めるか」があります。
ロール挽きと呼ばれる一般的な挽き方で挽いた粉は、角が丸く均一な味がしますが、碾石で挽いた粉は角が潰れず不均一で歯ごたえがあり、そば独特の香り・のど越しの旨さなど、そば本来の味があります。同様に米粉を挽いた場合についても言えます。
またそばも米と同様に熱を嫌います。あまり急激に熱を加えると、粉が本来持っている成分などが失われる場合もあります。この石臼と水車の力で挽く粉は、1kgで約40分かけて行っていますが、手触りなどで微妙に挽き具合を調整しています。

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